大手企業と対等にわたり合える技術力

-まず簡単に皆さまの自己紹介からお願いいたします。

関根 セキネシール工業の関根です。2020年1月に家業のこの会社に入り、現在は副社長を務めています。

佐藤 営業技術部技術課の佐藤です。入社して18年になります。

小池 同じく技術課の小池です。1年前に転職で入社しました。

大塚 営業技術部営業課の大塚です。私は転職して今年で10年になります。

阿由葉 営業課の阿由葉です。3カ月前に転職してきたばかりです。

-セキネシール工業がどのような会社かをご紹介いただけますか。

関根 特殊機能紙の製造・販売を行っています。従業員数は54人で、年商は約8億5千万円(2022年7月期)です。
特殊機能紙は、主にエンジンに使用されるガスケット(固定用シール材)の材料などに使われています。事業を以前の和紙づくりから現在の業態に転換しており、紙すきの技術と豊富なノウハウ、経験、知見を生かして製品を開発・製造しています。

お客様の要望に沿った独自の機能紙を作り出す、紙の配合技術が我が社の強みです。ほかには断熱材や放熱材、絶縁材も開発・製造しています。

佐藤 技術力は大手と対等にわたり合える高さだと言えます。大手の化学メーカーと共同開発を行うなかでは、「さすがの技術力ですね」とお褒めの言葉をいただく場面もありました。

-今後の事業の見通しと、会社の成長のために超えるべき課題をお聞かせください。

関根 今後の成長を考えた時、EVシフトや電動化で必要とされる材料を開発し展開する必要があると思っています。エンジンに使われるガスケット材料は需要の減少が予想されるためです。新しい製品開発のために必要な人的資源が足りないのが、現状の課題と言えます。

-技術職の採用は、新たな挑戦のためということですね。どんな人に来てもらいたいですか?

関根 新たな知見をもたらしてくれる人を求めています。たとえば、メーカーでの研究開発経験がある人。欲を言えば、大学で化学系を専攻していた人や前職で化学・素材の開発経験がある人が望ましいです。
人物像については、「勇気」「創造」「誠実」「融和」という社訓「SISCO(シスコ)」に共感できる人です。新しいことに積極的に挑戦し、ものづくりに誠実に向き合い、向上心と協調性を持ってチームで動ける人が必要だと考えています。

新しいことに積極的に挑戦する風土

-セキネシール工業の研究開発の強みや魅力を教えてください。

関根 「挑戦する風土」「裁量権がある」「スピード感がある」ところです。

小池 入社時から設備もどんどん入ってきているので、新しい分野に対して積極的なのが実感できますよ。


-営業を担う皆さんも、チャレンジできる環境を実感されていますか?

大塚 はい、挑戦することは営業にも求められています。以前と比較すると、攻めの姿勢で営業する機会が増えていると感じます。

コロナ禍で一時的に落ちた売り上げも、徐々に戻ってきている状況です。売り上げが10億円ほどあった時期まで回復できるよう、自社製品に固執せず、協力会社から供給して売るなど視野を広げた戦略をとることも増えてきています。

佐藤 近年、会社の方向性が時代に合わせて変わっていくのを感じます。もともとトップダウンの傾向が強かったのですが、2020年ごろからボトムアップの動きが活発になり、新しい取り組みが提案しやすくなりました。

スピード感を高めた技術と営業の一体化

-営業のオフィスは工場から本社に移動して、2、3年ほど前に同じ職場になったと伺っています。スピード感は変わりましたか?

大塚 はい、以前よりスピーディーになったと思います。技術職とのコミュニケーションが密に取れ、お客様の困りごとをくんでもらいやすくなったので良い環境の変化だったと思います。


-反対に、仕事がやりにくいと感じることはないのでしょうか?

小池 メリットのほうが大きいですね。入社直後でガスケットをよくわかっていないころは、営業の方々の電話のやり取りを聞くだけでも勉強になりました。

阿由葉 営業目線で、技術的な疑問がすぐ聞けて解消できるメリットは大きいのではないでしょうか。

大塚 技術部の方々に「うるさいぞ」って思われていることはあるんじゃないんでしょうか。また、営業は役者のようにうまく立ち回らなければいけない場面もあるので、「あの人、こんな性格だっけ?」と思われていないか不安になることもあります(笑)。

ゼロから研究開発を経験できる

-研究開発テーマは、どなたが決めているんですか?

佐藤 私の上長が中心となり、年度末の7月に見直して次期に反映されます。展示会や新聞などで得た情報やお客様との話を基に検討します。そのうちの新規案件に関しては、お客様との面談で挙がった意見や時代の流れを参考に決めることが多いですね。

現在は、ガスケット材料に代わる放熱材、断熱材、絶縁材といった機能材料の新規開発を行っており、営業側と連携してユーザー情報なども活用しながら進めています。

小池 ゼロから研究開発を経験できる点は、セキネシール工業の魅力の一つです。営業から情報や要望をもらいながら研究開発を進める体制も、やりやすい理由だと思いますね。

裁量権を与えて技術職の在宅勤務を可能に

-求職者にとっては、研究開発環境や社内制度も気になる点だと思います。

関根 環境整備には力を入れています。新しいことに取り組むため、業務の効率化は不可欠です。近年では、処理速度の速いノートパソコンやデュアルディスプレイを導入しました。社内コミュニケーションのため、チャットも活用しています。
制度面では、製造業であるにもかかわらずフレキシブルに働けるよう在宅勤務やフレックスタイム制度を整えています。技術職については、ほぼ全員が週1日の在宅勤務を実施中です。共働きや子どもがいる家庭では、仕事と家庭を両立するために必要な制度だと思いますね。
休日も増やし、年間115日だったところを117日へ。少しずつ、働きやすい環境を整えています。

-製造業では難しい会社もある一方、なぜセキネシール工業では在宅勤務が実現できているんでしょうか?

佐藤 技術職の場合、実験などはどうしても出社しなければできません。しかし、報告書の作成やデータのまとめは在宅勤務でも可能です。自宅でできる業務をある程度整えてまとめ、計画的に在宅勤務をするようにする必要がありますね。あとは、オンラインセミナーを在宅のときに受講しています。

関根 導入を提案した時は「絶対無理だ」と言われ、「何くそ」と思ったこともありましたね。でも時間の融通が利く社員が多いので、在宅勤務が実現しました。というのも、1人の社員が一つの研究開発テーマに一貫して携わっているため、自分で判断して進められる仕事の裁量が大きいからなんです。

安心して働けそうだったから入社を決意

-入社の決め手についてもお聞きできればと思います。1年前に入社された小池さんは、どうしてセキネシール工業を選ばれたんですか?

小池 私は新卒で研究職として大手企業に勤め、結婚を機に仕事と家庭の両立や希望の地域で働くことをかなえるために退職しました。その後は事務職に転職したのですが、仕事に物足りなさを感じてものづくりの仕事を探していたんです。ちょうどその時に、研究職の募集が出ていたので応募しました。

関根 最終的にうちを選んだ理由は何だったの?

小池 面接などでの対応を見て、安心して働ける印象を持てたからです。


-転職に不安はありませんでしたか?

小池 なかったですね。入社前に実験室などを見学して技術力があることは理解できました。会社が目指す方向性にも納得できましたね。入社後に感じたギャップは、面接で聞いて想像していたよりも対応範囲が広かったことです。


-小池さんのように大手企業で研究職をしていた人の中には、50人規模の会社で研究をすることに不安を覚えるケースもあるのではないでしょうか。

小池 私の場合は、もともと研究所ではなく工場にある実験室のような場所にいたので、それほど不安に思うことはありませんでした。


-前職の大企業と比較してセキネシール工業のいいところを教えてください。

小池 一貫して研究に関われるので、全体から見た自分の役割を把握できる点だと思います。ものづくりに対する熱い思いや、開発したいもの、やりたいことがある人は、仕事のやりがいや楽しさを見つけやすいのではないでしょうか。また、自分の対応範囲が広がるのもいい点だと思います。

他社にはまねできない製品を武器に

-営業の方々から、研究開発への要望はありますか?

大塚 とがった製品、アイテムです。営業に武器をください。
ニッチな用途でもいいですし、「耐熱はどこにも負けない」など特性面で突き抜けたものもいいですね。価格面で差別化できる製品などもありがたいです。

営業と技術で一丸となり、トライ・アンド・エラーで少しずつ前に進んでいければと思います。客先の反応を確かめるなどの検証は営業が担うので、「他社に負けない」「独自性のある」「まねできない」ものを作っていきましょう。

関根 セキネシール工業は今、マーケティング的な視点を持ち、市場やお客様のニーズを視野に入れて開発できる人が活躍できるフェーズだと思います。


取材・文/大沢裕司

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